【1話】初交流-ホテルで会った人とお出かけ。の話

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この投稿は気分を変えて小説調で。

前日の予定が雨で飛んだ憂鬱と、

生乾きの洗濯物に包まれた僕のベッド。

 

 

枕もとに手を伸ばし開いたスマホには、AM11:30の表示。

 

 

 

8人部屋でカーテンがしまっているのは6つ。

 

 

 

欧州系の20代半ばらしき男性は昨日のうちにチェックアウトして宿を出て行った。

 

 

 

ゴーゴーゴーガンッガンッ。

 

ウィーンウィーン。

 

 

 

扉の外からはドライヤーや乾燥機の音がかすかに聞こえる。

 

 

 

同室の何人かは観光のためか、

食事のためか早い時間に外出していった。

 

 

扉が開かれるたびに同じ屋根の下に住む

見ず知らずの人々の生活音は大きくなる。

 

 

 

前日に行こうとしていた台北101は、

 

 

Googleで

 

台湾 観光】

 

と検索すると必ず上位にあがってくる台湾有数の観光名所だ。

 

 

 

昨日しか行けなかったわけでもないので、

りわけ大惨事というわけでもないのだけれど、

 

あれだけの豪雨では、さすがに様々な行動意欲が減衰する

 

 

 

開いたスマホで今日の天気を検索した。

 

 

 

【台北 天気】

 

 

 

日本語で台北市の天気予報が表示される。

 

 

 

スマホがない時代の海外渡航って果たして可能なのだろうか。

 

ふと思う。

 

 

 

日本から2,000km以上離れた場所の天気がわずか3秒で知ることが出来る。

 

そのすごさ。

 

それが当たり前であって、

布団の中からでも世界中のニュース、写真、投稿が見られるのに何の疑問もない。

 

 

 

そんな時代に自ら現地へ足を運ぶのにどんなメリットがあるのか。

 

 

 

それもこの旅を通して見つけなけらばならないなぁ、

 

と一人考える。

 

 

 

時差が一時間あるのでスマホの表示時間からマイナス1時間する。

 

時刻はAM10:30。

 

訪れる予定の場所の情報やそこまでの行き方、

ホテルや航空券のチェックなどをしているとあっという間に時間は過ぎていく。

 

 

 

「時差1時間マイナスって、一日が23時間になってるわけじゃないよね?」

 

 

Twitterに書きかけた文章を消す。

 

面白くない。

 

 

 

今日の午後は雷雨らしいし、

昼ご飯を食べ、近くの町を歩くことになりそうだと

心の裡でおおまかに午後の流れを想像した。

 

 

 

シャワーに入ろうと、ロッカーから必要なものを取り出し、

 

サンダルをベッドの下から引っ張り出した。

 

 

 

サーッ。

 

 

 

っとカーテンを開ける音。

 

 

 

開いたのは僕のベッドの上のカーテン。

 

アジア系の若い男が顔をのぞかせていた。

 

 

 

彼も彼で自分に話しかけたい様子だったので

(そう自分に言い聞かせ)

 

 

 

一人での街歩きより刺激がありそうな、選択をすることにした。

 

 

 

「ねぇ、もうお昼ご飯って食べた?」

 

 

考えても仕方ないので直球で会話を始める。

 

 

もちろん英語で。

 

 

 

【やぁ、雨ってのは何かとやる気をそいで嫌になるねぇ、ところで……】

 

なんてことは、言えば極めて日本人っぽいな、と思ったのでやめたのだ。

 

 

 

あぁ、そんなことをいう語学力があるかどうかはまた別の話。

 

 

 

こういうホテルに泊まっている”独り者”は

出会いに飢えているから(そう思い込み)、

まぁ、悪い反応はないだろう。

 

 

僕の希望通りに彼は、

 

 

「まだだよ、一緒に食べに行こうか?」

 

 

 

そう答えた。もちろん僕の答えはYesだ。

 

 

 

 

「あ」

 

 

 

手に持ったシャンプーやら歯ブラシやらをみて、思い出す。

 

 

「シャワーを浴びてから行こうと思ってたんだけどいい?」

 

「もちろん。僕も準備しておくから」

 

 

 

交渉成立だ。

 

It’s a deal.だ。

 

 

もしも、

 

(あ、ご飯食べに行こうって声かけたいけど、お風呂セットもって話しかけるの違和感あるし、シャワー浴びた後にまたチャンスがあったら声かけようかな…)

 

なんて考えてしまって行動に移せなかったら、

極めて日本人だ。

 

 

 

今いるのは台湾。

 

これから半年近くいるのは日本じゃないんだ、

 

 

 

適度に日本人を抜いていけ。自分。

 

 

 

 

街に出て店に向かう間に自己紹介を兼ねた会話をした。

 

 

「じゃあ、中国とか台湾の料理もよく食べるんだ?」

 

「そうだね。半年いるとなると慣れてくるよ。君も気に入ると思うよ」

 

 

 

お店は彼に任せることにした。

 

 

シンガポールから留学で来ていて、

中国語が話せるというのだから、

 

 

 

僕よりもメニューを理解できるし、

ランダムで自ら注文するよりも頼ったほうがいいに決まってる。

 

 

 

二人で入った店は、麺を基本にさまざまな種類の料理があった。

 

 

その中から私は、100NTDD(ニュータイワンドル=元)。

日本円で約350円の水餃子?シュウマイ?のようなものが入った麺を注文した。

 

 

 

注文は紙にメニューリストがあり、

注文したい個数だけ正の字をチェック欄に書き、

店員さんに渡す仕組みだ。席番号も忘れずに記入。

 

 

 

そして、とどいたのがこれ。

 

 

これがまた美味い。

 

麺はまぁ、特筆すべきこともない、細麺だ。

 

日本の麵屋に比べると劣るものであったが、

 

 

麺に乗っている水餃子というかシュウマイというか…なもの。

 

中には肉とエビ等が入っているこれ。

 

 

 

が、まぁ、うまい。

 

 

 

台湾や中国でこういった料理が人気なことが少なからず理解できた気がする。

 

 

 

彼も麺を美味そうにたべている(すすってはいなかった)。

 

 

 

彼の後ろの壁には札に書かれたメニューがかけられている。

 

【 紙巾 】

 

の文字が書かれた壁掛けの紙ナプキンもあった。

 

 

 

 

ナプキンというよりは、

ティッシュペーパーのような使い方をしていたが、

それにしては紙の質が硬め。

 

 

 

というか、日本のティッシュが柔らかすぎるのだ。

 

 

 

ここは、台湾のお店のなかでは、きれいな部類で、

値段もそこまで高くないので満足できた。

 

(探せばもっとリーズナブルでおいしいものもたくさんあるが)

 

 

食事中はスマホの画面を見ることは殆どなかった。

 

 

 

失礼だからとか、そんな理由でなく殆どずっと話続けていたからだ。

 

 

 

40分くらいだろうか、

経験や言語、自国の文化、旅の経験談を共有した。

 

 

 

 

日本にいると思いきれない行動を、

 

 

海外が、

旅が、

一人だという事実が、

 

 

 

挑戦させてくれる。

 

 

 

ねぇ、もうお昼ご飯って食べた?

とてもちいさな行動、言葉ではあったが、

 

 

 

その言葉が生んだのは、

 

 

 

文化や経験を共有することが出来た貴重な時間であり、

おいしい料理だった。

 

 

 

 

お互いに午後の予定に取り組むため、

 

 

 

「じゃあ、また部屋で」

 

「楽しんで」

 

 

 

そんな会話をして別れた

 

 

 

店に入るまでは雲一つなかった空に、

白く厚いそれが徐々に増えていた。

 

 

 

僕は、海外で初めて自ら声をかけ、

 

貴重な時間を作れた達成感を、

 

海外に生きているという高揚感を抱きつつホテルへ戻る道を歩く。

 

 

 

「さぁ、これからどんな経験をしてやろうか」

 

 

 

 

冒険者さながらの勇ましい目をしていたと思う。

 

 

部屋に戻り、荷物をそろえて出かける準備をしていた時。

 

 

 

ピー、ガチャッ。

 

 

カードキーのロックが解かれ、

ドアの開く音が。

 

 

 

 

食事を共にした後に、先ほど別れ、

遠出したはずの彼がいた。

 

 

 

先ほどと何も変わらない様子だった。

 

 

 

髪の毛以外は。

 

 

「すごい雨だわ」

 

 

 

憂鬱が再び。

 

 

 

雨は好きだが、先に述べたように旅においては

様々な行動意欲が減衰する。

 

 

 

それからは、雨が止むのを待ちつつ撮った写真を整理し、

調べ物をする時間にあてた。

 

 

 

 

雨がふったことはさておき、

 

 

 

旅に出たことでできた新たな人とのつながりは、

僕の考えを豊かにさせる。

 

 

 

一度レールが引ければ、

そこからレールを伸ばし、

時に分岐点を作り…と。

 

 

 

道を築きやすくなる。

 

 

 

一歩目を踏み込むことは、

レールをすすんだ先の一歩とはまるで異なる価値がある。

 

 

 

踏み込むのにとてつもなく力がいるし、

踏み込むことで一気に選択肢や可能性が広がる

 

 

 

一歩目。

 

 

 

踏み出せたことに満足せず、

 

みしめながらぬかるまない程度に足をあげ前へ進んでいきたい。

 

 

 

 

その日の晩、

 

再び二人で町に繰り出し、

 

 

 

ご飯を食べ、

 

 

 

メインストリートを歩き、

 

 

 

写真を撮り、

 

 

 

路上パフォーマンスを見て

 

 

 

宿に帰り、

 

 

 

ボードゲームやジェンガもした。が

 

 

それはまた別の話。

 

 

今日大切だったのは、あくまで一歩目だ。

 

 

ホテルを変えたり、国をまたげば今日の一歩は、

価値が低くなってしまうかもしれない。

 

 

 

積み重ねよう。

 

 

一歩ずつ。

 

 

思いついたことや感じたことを

スマホのメモに打ち込みながら思う。

 

 

 

明日からのこと。

 

 

今日のこと。

 

 

 

打ち込んでいる途中に充電が切れ、

いかに集中していたかに気付いた。

 

 

 

ャワーを浴びて

一日を振り返り床に就くことにした。

 

 

 

学んだことは洗い流さないように気を付けた。

 

 

 

脱衣所の床が一部、

体のしれないものでひどく汚れていたが、

 

 

 

それもまた、別の話。

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