ボロブドゥール寺院遺跡 (Borobudur Temple)
ワークキャンプ名にもなっているボロブドゥール寺院遺跡を訪れました!
インドネシアで2週間に渡って開催されたこのワークキャンプ。世界文化遺産でもあるボロブドゥールについて知ることと、遺産保存のために活動することがこのボランティアのひとつの目的でもあります。
病み上がりでボロブドゥールに向かう
ボロブドゥール寺院遺跡を訪れる前日、僕らは原因の不確かな病に襲われていまして、病み上がりでの活動となったわけですが……。

前日にキャンプリーダーと杞憂していたのも取り越し苦労でした。
当日朝、みんなの顔から青白い病人の影は消え去り、雑魚寝のリビングには咳とため息の代わりに明るい声が溢れていました。
話題はインドネシアの食べ物への不満や“こんなことになるなんて!”という愚痴が多かったですが。
元気になって会話が増えるのはいい事です。
皆、身体の痛みを訴えてはいるものの、その症状は体調不良が去ったことを意味しているように思えました。
とはいえ、ボロブドゥールで倒れて貰っては困るので、スケジュールもハードにならないよう相談し、水や袋などもたっぷり僕のバッグに詰めていきました。
おかげで僕の背中には到底1人分とは思えない重さがのしかかる訳ですが、メインバッグの15kgに比べたら軽いもんです!
下がりきっていない熱と頭痛が15kg分くらい鬱陶しかったので大変さは同じくらいでしたが……。
ボロブドゥールへは、他日に同じく車で向かいます。
この時初めて知ったのですが、僕らの滞在していた村はボロブドゥールからわずか15分の距離!
しかしmいくら大きいとはいえ、平屋ばかりの村からは見えないですね。

ボロブドゥール研究所を訪問!

研究所のエリアにはボロブドゥールに関する博物館も併設しており、研究所見学とともに案内していただきました。
現地で実際に調査、修復を行っている人にガイドしてもらいながら、みる博物館は深いことまで知ることが出来て良い経験でした!!

ワークキャンプに参加したからこその経験が、この研究所訪問です。
遺跡から歩いて数分の距離にあるセンター。ここには、複数のセクションに別れた寺院遺跡に関する研究所がありました。
主に、遺跡保存のための研究なのですが。正直、”世界文化遺産保存の為の研究所”にしては、想像していたよりも簡素な設備でした。
各研究所は調べる事柄によって分類されており
・強度や硬度を調べる
・材質を調べる
・修復材を作る
・修復する
などなどあります。
ここでは、各研究が他研究にとって重要な役割を担っており、研究の担当分担をしています。

遺跡が劣化する原因
遺跡を破壊する原因になるのは、主に風化です。
このフローチャートは、遺跡保存にも深くかかわる微生物分析に関するものです。

雨風や空気、生物によるダメージの蓄積が寺院を劣化させます。
石の裂け目から雨が入り込んだりするわけです。
後世へ遺産を残すためには、放っておくだけではだめなのです。ダメージの積み重ねから保護してやる必要が有!!
遺産保存は、保存・研究対象が何千年も前に作られたものなので修復するのにも、遺跡を劣化させてしまわないかテストを繰り返した後に実際使用するそうです。
破損してしまった遺跡の修復には、特定の糊を使うことや、古い貨幣を綺麗に加工する過程を手作業で行っていることからも遺跡保存の繊細さが伺えます。


(↑)手作業でコインをきれいにするインターンの学生さんたち。
意外な研究所の設備

各研究には当然研究のための設備が必要になるのですが、それらの中には日本製の器具も多く見かけました。
SONYの顕微鏡や東芝のカメラなどがそのひとつです。

世界遺産の保存はユネスコあってこそのものであり、殆どの設備を導入するのもユネスコからの支援で行っているそうなのですが。
先に述べたように想像していたよりも簡素な設備だった研究所です。


その理由として各器具・設備の古さも挙げられます。
その一つが顕微鏡だったのですが、SONY製のその顕微鏡は、10年以上前のものを未だに使っているそうです。
「今でも問題なく動いているんだから日本製はすごいね!」
って褒めて頂きましたが、誇らしさよりも心に漂うモヤモヤ……。
必ずしも最新のもを使えばいいというわけでもないのかもしれませんが、想像よりもシンプルだった研究所の設備に僕以外のみんなもおどろいだんじゃないかな……。と思います。

修復作業中のもの!
修復作業中のものも見せて頂きました。
遺跡と同年代に使われていた壺のようなものや陶器、コインなどがそれにあたります。
工作かパズルみたいに糊で修復されるそれには、長い時間と相当な手間がかけられているのを感じました。
すこしだけ触らせてもらったりもしましたが、感触はいたって普通の粘土ってとこでした。1000年の時を指先から感じる!なんてことはなかったです。


研究所を訪れてみて
普通に観光で訪れるだけでは見られない世界遺産保護の裏側を知ることが出来た貴重な経験だったと思います。
スタディツアーのような形態で終わってしまわないように、自分たちにこれから何ができるか考える責任がある、とも感じました。
設備の不十分さが最も衝撃だったのですが、どこから設備が供給され、その費用はどのように集められているのか、どうすれば尽力できるのか、知らないことが多すぎます。
知らなければならないことが多すぎます。
次はいよいよボロブドゥールと対面です。
スケールの大きなボロブドゥールの随所に見られる繊細さに、世界遺産であることを納得させられる結果となりました。
がっかりする観光名所もおおくあげられますが、ボロブドゥールはその存在感が圧倒的です。

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